こんにちは。
所長のまえぴょんです。
最近、ニックネームを「まえぴょん」から「そもそもおじさん」に変えようかと試みています。名前からして「そもそも」を問い抽象度を上げることの重要性を訴えたいからです。
そのノリで先日とある中高生たちの勉強合宿に参加すると、女子高生たちから「『そもそもおじさん』は長いので、『そもじぃ』で。」と言われました。
本当は「そもそもナニおじさん」とかにしようかと考えていたんですが、そんなのはもってのほか!だと。というわけで、しばらくは「そもじぃ」でいってみます。
2000万円を貯めておけば老後は安心なのか?
さて、ちょっと古い話にはなってしまいましたが、先日、このままだと年金の支払いが十分にできないから老後には2000万円ほど自己資金で持っておいてね、っていう発表が金融庁からありました。その後すぐに無いことになりましたが、発表があったのは事実ですね。
「そんなもん今さら言わんでも人口ピラミッド見たら分かるわい!」と私は思うんですが、その発表があってから、ちょっとした資産運用ブームになっているみたいですね。銀行に預けても金利は望めないし、資産運用に回して自己資金をなんとか2000万円には乗せておこうっていう世の流れでしょうか。
まぁ十分理解できる対応だと思いますが、天邪鬼な私はその流れには乗りません。「そもじぃ」ですから抽象思考を使って世の流れの斜め上を優雅に泳いでやろうと考えています。
まずですよ、抽象思考をするなら大前提として
「そもそもなんで2000万円が必要なのか?」
これを押さえておく必要があります。その問いには、
「生きていくのに必要なモノやサービスを得るための手段としてカネがあって、等価交換すると2000万円相当の不足が考えられるからだ」
と答えることができそうです。
てことはつまり、お金なんて所詮「手段」なわけですよ。楽しく生きていくための一つの手段にすぎないわけです。
だって、その生きていくために必要なモノやサービスを自給できれば、そんな2000万円もの大金は要らないわけですから。
それに、もしそもじぃが120歳まで生きてしまったら2000万円でもショートするんじゃない?自分が何歳まで生きるかを計画できない時点で、老後の資金計画なんてあてにならんわけです。わー、2000万円でも安心できないじゃん。
大金の使い途5つ
人生における大金の使い途に
・家
・車
・食
・エネルギー
・教育
が挙げられます。
家は新築で建てた自宅用と、空き家を買い取ってリノベした宿用の2軒があって、そのローン分の現金は必要ですね。こりゃ仕方ない。
そして車もいずれ買い換えるか買い足すでしょうけど、ひとまずもう持っています。
あとの「食」「エネルギー」「教育」は、これから毎日のように必要とされるものですから、ここを自給できれば何歳まで生きてもたいしてお金がかからなくて済むと私は捉えています。
というわけで、私は貯めた2000万円を取り崩して生きていく生活ではなく、「お金がなくてもいつまでも楽しく生きていける自給自足の世界」を早いうちに創り上げて、生活費を抑えたライフスタイルにシフトすることにしました。そっちの方が不安が減りそうで。
その計画を、私が経営している株式会社みんなの村の名前にちなんで「みんなの村 楽園計画」と名付け昨年から推進しているところなので、今回はその「みんなの村 楽園計画」の一端をご紹介します。
食の自給
我が家には畑があって、今は父と母が野菜を栽培しています。今の時季はニンニクの収穫が大忙し。その他、ピーマンやキュウリ、ナス、トマト、ジャガイモなどなど、スーパーで売っている野菜ならそれなりに揃います。しかも無農薬っていうのがありがたいですね。
それに果樹もあります。キウイは食べきれないほどの鈴生りですし、柿や栗もある。娘が生まれた記念にレモンの木も植えました。そのレモンを入れたハイボールで早く娘と乾杯したい。
春になると敷地内に自生しているタラの芽やワラビ、三つ葉などを美味しくいただけます。
あと、日本人の主食であるお米は、来年あたりから栽培を始めてみようかと画策中です。で、そのお米でどぶろく作るねん(合法的に)。
さらに我が家のスペシャルは地下水があること。地下80mまで掘ってあって、途中に岩盤を2枚抜いているとのことで(父親談)、蛇口を捻ると無菌のミネラルウォーターが出てくる状態です。もちろん各種検査済みで、保健所の基準に照らし合わせても飲用に適した水でした。
というわけで、我が家は丹波市の水道を引いていません。塩素の入っていない地下水だけで暮らしています。
そんなこんなで、ひとまず食うに困らなくなったら、2000万円なくても怖くなさそう。
エネルギーの自給
続いてエネルギー。
我々が住んでいる丹波市は田舎なので、ガスは都市ガスではなくてプロパンガス。都会からUターンしてきた時には驚きました、プロパンガスの値段の高さに。
Uターン当初は暖房にガスファンヒーターを使っていましたが、冬場のガス代が月3万円を超えていたので、一冬でガスファンヒーターを使うのを止めました。
その代わりに導入したのが薪ストーブです。それも性能がより良いものを次から次へと試していって、この10年で3台目。やっと快心の暖かさを放つストーブを手に入れました。このストーブはスペインPANADERO社のISLA。このISLAで温まりながら芋焼酎を煽ると、冬でも裸踊りができる空間になります。
そしてその燃料である薪を生産するのに仕入れたのが、米国ウッドマイザー社の薪割り機「FS350SS』。従来になかった往復ビンタ方式で、薪の生産スピードが格段に上がりました。今はまだ外部油圧の接続ができていないのでうちの薪割り機は稼働していませんが、今後はこれで爆速冬支度をしますし、大量に作った薪は株式会社みんなの村で販売していきます。
続いては電気です。
我が家と会社事務所の屋根の上に太陽光発電パネルを設置してあって、今は全量売電しています。今の単価での売買契約は2033年で切れるので、それ以降はまずは自宅で消費し、その残りを今より安い価格で売電することになるでしょう。当然今より収益は落ちますが、少なくとも電気を買う必要はありません。
「でも夜になると発電しないから電気が要るじゃんか」
と思われるかもしれませんが、ここで登場するのが電気自動車「リーフ」です!
昼間に太陽光で発電した電気をリーフに蓄電しておけば、太陽光で発電しない夜は逆に「リーフ」から自宅に給電することが可能になるのです(今年その設備を導入する予定)。
ちなみにこの「リーフ」は30kWhの蓄電池が搭載されていて、中古で買って車両価格は150万円くらいやったんですけど、仮に住宅用蓄電池で30kWh分を購入しようとすると900万円ほどするんです!「リーフ」は自動車で世界中で販売されているから、規模の経済性によって価格を下げられているんでしょうね。「動く蓄電池」の方が安く手に入るという、なんとも奇妙なお話です。
こうして太陽光発電と「リーフ」のおかげで電気がタダになるので、給湯設備であるエコキュートの電気代もかかりません。
もっと言うとこのエコキュートは太陽熱利用型のエコキュートなので、まず太陽熱で温められ、その不足分だけ電気で加熱するタイプです。これだと1年のうち半分くらいは電気を使わんでもお湯が作られるわけなんですが、太陽熱にしろ太陽光にしろ、いずれにしても太陽のエネルギーだけで沸き上がるお湯ってことですね。
また、将来的には露天風呂でも造って楽しもうと考えているので、露天の放熱を補う熱源として薪ボイラーも併設しておきました。これでアホみたいにお湯が作れます。そして焚き付けのために紙くずなどを焼却するので、ゴミ袋代も節約できます。
あ、そうそう、丹波市って「燃えるゴミ」のゴミ袋が1枚80円もするんです。えらい高いゴミ処理施設を作ったことが反映されているのか知りませんが、お隣の丹波篠山市のそれが45円であることを考えると、明らかに高いですよね。
で、その「燃えるゴミ」をクリーンセンターで処理する際に高いコストがかかるのが「生ゴミ」なんですね。「生ゴミ」に多く含まれる水分を飛ばすのに油を投入して燃焼させないといけないから。なので、そんな厄介者の「生ゴミ」は、うちはコンポストで畑に戻すようにしています。これは家計にも畑にも行政にもええ話かと。
ちょっと話がゴミ問題にそれましたが、今度は地下水のお話。
地下水って年間通して15℃がキープされているんです。だからこれもある意味エネルギー源やな、と思ってます。だって、夏場はこの地下水を使ったミストシャワーを導入すれば打ち水効果で冷やすことができるし、冬場はお湯を作る際に15℃スタートで温められるから、凍りそうな温度の水道水を使うよりエネルギーを消費しなくて済むんですよね。
このように、エネルギーも自給して、なんなら作りすぎたエネルギーをちょっとくらい売っていけば、エネルギーにお金をかけなくて済みそうです。いよいよ2000万円も要らなくなりそう。
教育の自給
そして最後に「教育の自給」です。
たまに「子育てはコストだ」っていう話を耳にするんですが、私は「投資」だと捉えています。
前川家の場合、私も妻も国公立大学の理系学部出身なので、義務教育レベルの普通教育に関してはそれなりの内容を伝えることはできるかと思います。さらに我々は心理学も学んだので、今は自己肯定感を育みながら教育を施す方法を模索しているところです。
また、私は学習塾で教鞭を執りながらも、企業向けの勉強会なんかも開催しているので、学校の教科教育と社会人として身につけておく思考のスキルを関連づけることができます。これは珍しい人種かもしれないですね。
だから、自分の子どもたちには自分たちで教育ができるので、ほとんどお金をかけずに人材育成ができるようになると想定しています。
あわよくば、子どもたちがさっさと自立、独立して、会社でも経営してくれるようになると、その暁には弊社NPO法人他力本願研究所にコンサルか何かの業務委託でもしてくれたらいいのに♡なんてことも妄想しています。
だから「投資」なのです(笑)
もしそれが実現したら2000万円の貯蓄なんてぜんぜん要らんですね。よし、教育投資にさらに熱を入れてやろう。
「依存」から「自立」へ
はい、ここまで老後に備えて2000万円を貯めるのではなくて、老後に金をかけなくても生きていけるだけの環境を整える「みんなの村 楽園計画」について説明してまいりました。
「2000万円」がキャッチーなので、私の話はお金の印象が強くなってしまったかもしれませんが、実のところ、私が実現したい世界観は老後の生活云々だけではなくって、「自立」なんです。
そもそもなんで私が「自立」にこだわるかというと、今思うと私は十分に「自立」ができていないことが原因で鬱になったからです。つまり「依存」してたわけですね。
当時の私は無自覚に依存的でした。そして苦境に立たされたところでずっと何かにしがみついていました、すがっていました。その最後の望みが絶たれた瞬間、鬱になったんです。
もしあの時、他に選択肢があれば。。
他に逃げる場所があれば。。
どん底から這い上がっていく過程で、自分自身が「自立」できていなかったことを自覚できました。
鬱までいかずとも、依存は不自由で楽しくない。主導権がないからね。
自立は楽しい。主導権があって自分の好きな選択ができる。生きている実感が得られる。
それ以来、いかなる場面でも「脱依存」を掲げ、自立に向かうためにどうしたらいいのかを考えてきました。ま、最後の最後は「他力本願」で救われる予定なんですけどね。そんな精神的な支えもあるからこそ、自立に向かって頑張れるわけでもあります。
そんな生き方、在り方を四六時中考えていると、ライフラインすら依存しないこんな老後の過ごし方を思いつくに至りました。
ライフラインに繋がれているととても便利ですが、実はそれすら「依存」ですからね。事実、2018年の夏に北海道で起きたブラックアウトは電気への依存、電力会社への依存が鮮明になった事象でした。まだ北海道の夏の出来事だったのが不幸中の幸いでしたが、あれが真冬に起きていたら、多くの死者が出たんじゃないでしょうか。
だから、食にしてもエネルギーにしても、一つに依存せずに複数の選択肢を持つ。
仕事だってそうですよ。最近ようやく副業が解禁されてきましたが、一社からしか収入が入ってこない状態だから依存的で不自由になる。パワハラ、セクハラに耐えようというマインドになってしまう。そりゃ鬱にもなりますって。
それもあって私は製造業の株式会社みんなの村を経営しながら、このNPO法人他力本願研究所を立ち上げて人材育成の仕事も始めました。複数の仕事を持って依存から抜け出すことで、精神の安定化を図っています。
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誰かに繋がれた線で生きていることの延長に「自立」はなさそうだから、こうやって複数の選択肢を自分で作っていくことが大切だと思います。考えられるだけの選択肢を複数持ち、平時は自分に都合の良い選択肢を選ぶ。そして有事の際は避難できる状態を作っておく。これが豊かに生きるコツだと思います。
田舎だからこそできる自立的な暮らしにどうぞいらっしゃいませ
さてさて、食とエネルギーの自給は、人口が集中しているコンクリートジャングルでは不可能です。
ライフラインにすら依存しない、最新の田舎暮らし。
年金問題もあって都市部で疲れちゃった人が向かう先の一つに、田舎でこんな再スタートなんてどうでしょう?
「まだ東京で疲弊してるの?」
(もう古いかw)
とは言え、地方の暮らしが万能というわけではありません。都市部と比べて人の交流が少ない分、人間関係が固定化しやすく、人付き合いが面倒という一般的な側面があります。
しかし、私が丹波市で経験している田舎暮らしにそのようなめんどくささはさほど感じません。なぜなら、地縁型コミュニティであるご近所付き合いがそれなりにドライであることと、テーマ型コミュニティはさらにドライな人付き合いができているからです。
要するに、周囲にええ人が多い、ってことです。
まぁテーマ型コミュニティは自分で選択できるのでどっちでもいいですけど、地縁型コミュニティは一度住んだら変えにくいものです。だから、田舎暮らしで大事なのは、
どの家に住むか
よりも
どの集落で暮らすか
の方が大事なんじゃないかな、と個人的には思っています。丹波市内でも人付き合いがめんどくさそうな集落もあれば、そうでない集落もありますからね。中には自治会に入れてもらえない集落もあるようですしね。
だから、お目当ての家を見つけてすぐに移住するのはちょっとキケンかもしれません。
なので、まずはお試しプチ移住がオススメです。
実は「みんなの村 楽園計画」の中には、今年から始めようとしている農家民宿があります。
そしてこの母屋ではシェアハウス事業もやってますんで、このシェアハウスにプチ移住して、我々の自給自足を垣間見ながら、丹波市の住みやすそうな集落を見つけてみてはいかがでしょう?
農家民宿の敷地内には、木金土曜だけ営業している「手打ち蕎麦 木琴」という蕎麦屋もありますよ。
面白い仲間とBBQもしますよ。
地下水が流れ込む池にはアマゴが泳いでますよ。
池の側では蕎麦用のわさびの栽培もしていますよ。
「みんなの村 楽園計画」の紹介動画も作ってみましたよ。
完全個室(鍵付き)、冷暖房完備、家賃3万円、全3室(今日現在1室は埋まってます)。
もちろん、このシェアハウス事業も自立を目指した副業です。依存しないって素晴らしい。
というわけで、2000万円の話から随分と話が展開されていきましたが、要は依存から抜け出して楽しい人生を送ろうぜ!っていう話です。
もっとこの類の話を聞きたい方、また丹波での鬱になりにくい田舎暮らしにご興味のある方は「そもじぃ」までご連絡ください。蕎麦でも食べながらお話しましょう。