※この記事は「人生を前向きに歩んでいくための心の土台づくり」と題して、前ぴょんが朝来市広報誌2018年8月号〜2019年3月号までシリーズで寄稿しているコラムの2019年2月号分です。
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- 「人の顔色を窺うようになる過干渉な関わり」
私は昨年、労働者のメンタルヘルス向上を目的とした産業カウンセラー養成講座を受講したのですが、その中で、幼少期から親の過干渉で自分を表現できずに育ち、大人になってから仕事に支障をきたすほどメンタルが悪化した青年の事例を学びました。
その青年に限らず、子どもの本心を無視して親が勝手に学校や就職先などの進路を決めてしまったり、子どもが自分と異なる意見を持つことを許さなかったりする過干渉な関わりは、周囲でもよく目にしますし、私も経験してきました。
その過干渉に対して、子どもが自我を出して「俺の意見は親とは違う!」と、「NO!」と突き返し始める青年期を「反抗期」と呼びますが、それは自立への意欲の表れだとも言えます。だから、子どもが反抗期を迎えたら、まずはその成長に一安心して、今後の関わり方をあらためて考えてみると良いかもしれませんね。
問題が深刻化するのは、子どもが「NO!」と言えない場合です。それは一見「素直で扱いやすい良い子」に見えるかもしれませんが、実際は、自分の意見を持つことよりも周囲の顔色を窺うことを優先する「従順で自分を表現できない子」ですから、依存度が高く心が健全には育まれません。そして大人になってからも同僚や上司の言動に振り回されて、前述の青年のようにメンタルを悪化させることがあるのです。
かく言う私も、数年前に鬱(うつ)になったのは、結局は過干渉な父親との軋轢(あつれき)が大きかったのです。子どもの頃から過干渉された反動が、30歳を過ぎてからあるキッカケで爆発して鬱になりました。そこから立ち直る過程では、反抗期のように父親に抗(あらが)う日々が必要でした。その「反抗」という過程を経て、ようやく今は親離れ子離れをして自立を感じます。
このように、大人になってからでも自分自身を取り戻し、自立することができないわけではありませんが、それには多大なリスクとエネルギーが必要だと痛感しています。だからこそ、わが子には過干渉にはならず、ささっと自立して彼らなりの人生を楽しんでほしいと願っています。
朝来市広報誌2019年02月号